漁場探索

 現在の船による漁業は、魚種・漁法を問わず目的の漁場への到達にはGPSを利用し、魚群探査にはソナーを用いるといった最新の機器を用いた近代的な操業形態で効率の高い漁法を行っています。

 カツオの一本釣りは、いかにも昔ながらの伝統的漁法であるかのように思われがちですが、最近では、双眼鏡に頼るばかりでは無くソナーや海鳥レーダーの他、人工衛星からの情報などに頼 ることが多くなっているのも事実です。

 しかし、ことカツオ一本釣りに関しては、経験豊富な船頭の感や、船員による双眼鏡での群れの発見といった人的要因も漁を左右する大きな要因として現在も欠くことが出来ません。

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カツオを釣る

 船は、群れを発見すると全速でその群れに向い、まず生餌のカタクチイワシを群れに投げ入れます。これは、その群れが食い気があるか調べるためで、苦労して 発見した群れでも食い気が無ければ釣り上げることが出来ません。そうして、群れのカツオが投げ込まれたカタクチイワシを食べれば一斉に竿を出します。その 際、カブラという擬似餌を付けた釣り針を結んだ竿を使って釣り始めます。その後、食いが悪くなってくると普通の釣り針を付けた竿に替え、イワシの頭を引っ 掛けて釣ります。
 カツオの一本釣りでは、せっかく苦労して発見した群れでも、食い気が無ければ釣り上げることが出来ないし、食い気の有る群れに 当たっても釣り上げることが出来るカツオは群れの一部の食い気が旺盛な個体だけなのです。漁法としては、一本釣り漁法は効率の悪い漁法であると言えます。 しかし、言い換えれば大型巻き網船のように発見した群れの大部分を捕り尽くすことの無い、資源にやさしい漁法なのです。

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操業海域

 私達土佐カツオ一本釣り漁船の実際の操業は、それぞれの船(所有する会社)による事情で1月に出航するものや、その年の海の(カツオの)状態などによって12月まで操業することもありますが、通常は2月から11月末までを漁期として操業しています。
  一般的には、カツオ一本釣り漁船は春先の2~3月は九州沖からフィリピン近海で操業を開始し、4~6月には小笠原から伊豆諸島にかけて房州、常磐へとカツ オを追いかけて、夏から秋には皆さんもご存知かと思いますが、三陸沖での操業となります。しかし、これ以外に、千島列島沖にまでカツオを追うこともあります。

第8日昇丸の操業事例

 当社の保有する第8日昇丸の実際の操業はというと、今年の初航海は、2月11日に土佐清水港を出港し、その日の内に愛媛県の深浦港でカタクチイワシを仕入れた後、出漁。翌、2月12日:北緯29度・東経133度、13日:北緯25度・東経135度を経て、14日の北緯24度・東経136度で 今年初めてカツオの群れを発見し9トン漁獲する。更に、15日には北緯23度・東経137度で7.6トン、16日には同じく北緯23度・東経137度付近 で20トン漁獲し、計36.6トンで水揚げ地の千葉県の勝浦港に向け帰途へ。3日後の2月19日に勝浦港に入港し、水揚げ作業と燃料と食料品等の補給の後、その日の内に神奈川県の下浦港にて餌入れをして出港。

 次に、最盛期の6月の操業を見てみますと、6月2日に神奈川県の佐島港で餌入れをして出港。3日 には北緯31度・東経139度で2.5t漁獲。翌、4日に北緯31度・東経140度で20.5t漁獲し計約23tで千葉県の勝浦港に向け帰途へ。5日に入港。

 秋の航海として、昨年の10月25日を例にとりますと、岩手県高田港で餌入れをして26日から30日までの操業は群れに当たらず漁獲無し。その後、操業6日目の10月31日に北緯40度・東経152度で0.2t漁獲、翌11月1日にも前日と同様に北緯40度・東経152度付近で4.5t漁獲する。計約 4.7tにて3日後の11月4日に宮城県気仙沼港へ入港し08年度の漁を終了する。
 なお、この記録にも出てくるようにカツオの水揚げ地は、千葉県の勝浦港と宮城県の気仙沼港が主な港となっています。太平洋側にはたくさんの大きな漁港が有るにもかかわらず、勝浦と気仙沼が多いのは、漁場や餌場に近 いこと、多くの一本釣漁船が集中して水揚げするため少ない港より相場が安定しているためです。

 その他は静岡県の御前崎港、沼津港、千葉県の銚子港、茨城県 の那珂湊、福島県の小名浜港、中の作港、宮城県の塩釜港、石巻港、岩手県の大船渡港などが水揚げ港となっています。

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